子ども珈琲電話相談2

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2017 [2017年07月26日 05時00分]
夏休み子ども珈琲電話相談」は、小中学生のみなさんの珈琲に対する疑問や興味にこたえる番組です。りっぱな(?)質問でなくてもかまいません。ふと、頭に浮かんだ謎、素朴な質問でも大丈夫です。ぜひ、夏休み中のお子さんとご一緒にお楽しみください。
 夏休み子ども珈琲電話相談2
 
【難敵】
「お名前と学年を教えてください」 「里辺(りべ)利香(りか)です。小学5年生です」 「利香さんの質問はどういうことですか」 「えっと、地球の温暖化が進んでコーヒーが飲めなくなるかもしれないというのは本当ですか?」 「はい。利香さんはコーヒー好きですか」 「好きです」 「では、井利先生に訊きますね」 「井利です。利香さんは地球の温暖化が進むとどうしてコーヒーが飲めなくなると思いますか」 「コーヒーが採れなくなるからだと思います。栽培に合う環境が高いところに移って農地が不足するとか、気候が不安定になって干ばつや土砂崩れがたびたび起きるとか、サビ病が拡がってしまうとか…」 「よく勉強されていますね。結論から言えば、既にそういうことが起こり始めていますし、利香さんが大人になった時にはコーヒーを好きなだけ飲むことはできなくなってしまうかもしれません。一つの考えとして、採れなくなって減ったら減った分だけ我慢して最後はコーヒーを飲むのをやめてしまう、という方法もありますが、利香さんはどう思いますか」 「ちょっといやです」 「そうですね。私もコーヒー好きですから、それはいやです。でもね、この話は我慢するのかどうかでは終わらないと思います」 「えっ」 「あのね、本当にコーヒーが飲めなくなるくらい地球が酷いことになってしまう頃には、コーヒー以外の、例えば、コメとかムギとかトウモロコシとか大豆とかが採れなくなったり、お魚が獲れなくなったり、あるいは飲むお水ですら全然足りなくなってしまうかもしれない、そういう心配もあります」 「そうなんですか」 「だから、コーヒーだけ何とかしようと思うよりも、地球の温暖化が進むと利香さんの生きていく世界はどうなるのか、何を我慢して何を変えなければいけないのか、コーヒーを飲みながらコーヒー以外にも目を向けて利香さんたちにも考えてほしいんです。わかりますか」 「えっと、はい…」 「じゃ、さよなら~」 「さよなら…」
 
【瞬殺】
「お名前と学年を教えてください」 「粕柄(かすから)貴志流(きしる)です。小学3年生です」 「訊きたいことはどういうことかな」 「えっと、銀ブラというのは銀座をぶらぶら歩くことではなくて銀座でブラジルコーヒーを飲むことだというのは本当ですか?」 「はい。貴志流くんは銀座でブラジルのコーヒーを飲んだのかな」 「飲みません」 「えっ?」 「えっと、銀座で飲むんだったらブラジルなんかじゃなくて、ビルの最上階にあるカフェでグァテマラの特級畑のコーヒーを飲みます」 「は、はい。では、星名先生に訊きますね」 「星名です。貴志流くんは銀座でブラジルコーヒーを飲むことが銀ブラの語源だと思いますか」 「わかりません」 「ウソ、許せないウソです。わかりましたか」 「えっと、はい…」 「じゃ、さよなら~」 「さよなら…」
 
【拒絶】
「お名前と学年を教えてください」 「牧(まき)根太(ねた)です。中学2年生です」 「質問はどういうことかな」 「えっと、コーヒーは健康にいいのですか?」 「はい。根太くんはどうしてこの疑問を思いついたのですか」 「コーヒーの科学の本を読んでいたら、『コーヒーはヒトの健康にどう影響するのか』という話がありました。でも、個人レベルで考えると飲んでも飲まなくても大きな違いはなさそうで、よくわからなくなってしまいました」 「なかなか難しそうな問題ですね。では、平瀬先生に訊きますね」 「えっ? 井利先生か星名先生で…」 「根太くんの質問は、自称コーヒー博士の平瀬先生がお答えします」 「我が輩がコーヒー博士の平瀬じゃ。健康にいいコーヒーは水素の…」 「さよなら…」 「あっ、根太くん、根太く~ん」 (ツーッ、ツーッ…) 「え~と、切れましたね。さぁ、今日もたくさんの質問ありがとうございました」
 
お楽しみいただけましたか? 《ふと気がつくと、いつしかもう、あまり「なぜ」という言葉を口にしなくなっている。そのときだったんだ。そのとき、きみはもう、ひとりの子どもじゃなくて、一人のおとなになっていたんだ。「なぜ」と元気にかんがえるかわりに、「そうなっているんだ」という退屈なこたえで、どんな疑問もあっさり打ち消してしまうようになったとき》(「あのときかもしれない」 『深呼吸の必要』 晶文社:刊)と長田弘氏は記し遺しました。でも、珈琲に「なぜ」を問うたり珈琲を「そうなっているんだ」と識る、そこに子どもか大人かは関係ありませんし、元気に考えれば退屈はありません。夏休みも珈琲に生きるだけです。
 
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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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