私的珈琲論序説~(2)直火焙煎派 その1

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:私的珈琲論序説 [2009年02月06日 00時03分]
(2)直火焙煎派
 
「直火」か「熱風」か、はコーヒーの焙煎を語る上で古くて新しい論争である。両者を比較し良し悪しを語る前に、私自身が恒常行なっている自家焙煎は「直火」である。つまり、実践しているのが直火なのだから、私自身が直火を否定するハズは無いわけで、
その事実のみでも直火焙煎派なわけである。その実践の一端を示すために、以下に、某所で発表した時のレジュメの一部を掲げる。
 
  JCS 15th Annual Meeting,Roasting & Extraction Subcommittee, 2008
 
 ''キッチンロースターの妄言'' 私のコーヒー焙焼
 
  自宅の台所で、手廻し釜と手網を使って焙煎。原則として自家消費用
  (つまりアマチュア)。
 
 1.焙煎機(手廻し釜)
 
  富士珈琲機械製作所の故・寺本氏による特注品。形状は俗に「ブタ」と
  呼ばれるもので、約1kg容量の大きさ(大坊珈琲店さんと同じ)。
  但し、釜部が全てパンチングメタル(一重)であり、
  前後にベアリングがかませてある、完全直火型。
  熱源はガス(市販のコンロを使用)。
  手網よりも「一度に多く」「楽に」焙煎したいが、「手網に限りなく近い」焙煎機、
  がコンセプト。
 
 2.焙煎方法(現在の日常)
 
  コンロに手廻し釜を乗せ、コックで適当に火力調整。
  生豆投入後、約15分から25分間で焙煎。
  焙煎度はフルシティからイタリアン(時にそれ以上)。
  この間、火力は一切変えない。
  温度も測らない(温度計やガス圧計の類、不使用)。
  サシで抜き取りもしない(途中の目視確認無し)。
  豆のハゼ音、豆の擦れ音、煙の量・色・臭い、手に伝わる振動変化、
  等で焙煎終了を判断。直後にザルに空け、扇風機(市販)で送風冷却。
  ハンドピックは生豆で行い、焙煎後は殆どしない。
  ブレンドは殆どの場合、プレミックスで焙煎する。
 
 3.焙煎時の状況(現在の日常)
 
  狭小戸建て住宅の一階台所隅にて、
  昼夜晴雨に拘らず必要に応じて焙煎(週1~2回)。
  排煙は壁抜き型市販の25cm角換気扇のみ。
  煙が立ち込め、家中「燻煙」状態になるので、
  続き間のリビングにいる家人に「今から豆を焼く」
  と宣言するが、避難しない者もいる。
  チャフは部屋中に飛散するが全く気にしない。
  街区端まで臭う(息子報告)が、幸い苦情は来ない。
 
 4.焙煎に関わる留意と特徴
 
  気温や湿度の絶対値よりも(気圧を含めた)焙煎前及び焙煎中の環境変化に
  留意している。
  時季による変化は二十四節気を目安に読み取り検証している
  (近年ズレが酷いが温暖化?)。
  焙煎する豆の品質や特性・傾向は生豆を食べ(齧り潰し)て判断する
  (ブランド志向は希薄?)。
  焙煎(特に深度と均一性)の適正見極めは、
  焙煎豆の胚(胚種)部分の焼け加減で判断する。  
 
 5.焙煎に対する私的前提
 
  手網・手廻しの直火焙煎を続ける理由は、
  「プリミティブな直火こそ味が出せる」からでは無い。
  己が「よりウマいコーヒー」を追求し続け、コーヒーを毎日味わい続ける為には、
  (転居・事故・天変地異を含めて)いかなる状態にあっても焙煎できることを
  旨とする(サバイバルな焙煎姿勢)。
  所在や環境・熱源・動力等の変移・異状を理由に、朝一杯のコーヒーが無くなり、
  質が落ちることは断固として己に許されないから、の選択
  (抽出・喫飲についても同様の姿勢)。
 
以上、発表用の要旨なので、表現はかなり乱暴で誤解を招きかねないところもあるが、内容は全て事実であり、そのまま示した。
(続く)
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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