五輪書

ジャンル:その他 / テーマ:ひとりごと / カテゴリ:あ・論廻 [2017年06月23日 01時30分]
共謀とは何だろう? 東京五輪に関係するのだろうか? そもそも東京五輪は開催されるべきなのだろうか? 近未来を透視しよう。
 
 五輪書 (1)
【地の象】
新国立競技場において夏季オリンピアードのプレ大会として国際陸上競技大会が始まるはずだった弘保2(2020)年1月17日の早朝、首都直下地震が発生した。都心直下を震源とするマグニチュード7.2の地震は首都圏に甚大な被害をもたらして、建物の倒壊や火災旋風などによって2万人超が死んだ。発災から3日後に日本政府は「国家非常事態宣言」を超法規で布告、震災に端を発して続く市民集会の暴徒化に対して2月26日には自衛隊の治安出動によってこれを鎮圧した。
 
 五輪書 (2)
【水の象】
オリンピアード競技大会の東京での開催を危ぶむ声が諸外国から上がる中、3月11日に日本政府は「震災復興の象徴として東京五輪は予定通りに開催する」との声明を出した。オリンピアード競技大会の準備を優先した復興整備が強行されたまま、首都圏は異様に早く5月5日に梅雨入りした。この日から1ミリメートル以上の降雨が43日も続いて、この間の降水量は計1422ミリメートルに達した。この雨で東京都心の大半は水浸しとなり、震災に続いて甚大な被害をもたらした。
 
 五輪書 (3)
【火の象】
梅雨明け翌日の6月17日から首都圏は猛暑に見舞われた。日ごとの最高気温が摂氏35度を超える猛暑日が21日も続いて、最も高い観測値は摂氏40度、半ば廃墟と化した都心の街路では陽に焼かれたままの死体が転がっていた。こうした中で、デング熱の発症者が首都圏を中心10万人超となり、日ごとに続く暴動に拍車をかけた。オリンピアード競技大会の東京での開催を危ぶむ声が諸外国から上がる中、7月1日に日本政府は「世界一安全な都市として東京五輪は予定通りに開催する」との声明を出した。
 
 五輪書 (4)
【風の象】
猛暑の連続が終わった4日後の7月11日深夜に首都圏は台風の直撃を受けて暴風雨に襲われた。翌12日にかけて毎秒30メートルの猛烈な風が吹き荒れ、最大瞬間風速は81メートルに達して震災と水害の傷が癒えない東京タワーが崩落、東京都心部は廃墟と化した。諸外国はオリンピアード競技大会への不参加を表明、国際オリンピック委員会はオリンピアード競技大会の中止を発表したが、7月15日に日本政府は「参加国が日本1ヵ国になっても東京五輪は予定通りに開催する」との声明を出した。
 
 五輪書 (5)
【空の象】
新国立競技場において夏季オリンピアードの皮切りにサッカー競技が始まるはずだった7月20日の夕方、強烈な太陽嵐が発生した。このキャリントンイベントを遥かに超える大きさの太陽フレアによって激しいコロナ質量放出(CME)が2日後に地球へ直撃、日本でも全土で停電を強制して、通信機器は不通となった。都市の機能は麻痺して分断され、恐慌と暴動と内乱の嵐が世界の各地で吹き荒れた。オリンピアード競技大会の行方など、もう誰も考える者はいなかった。
 
 五輪書 (6)
第32回オリンピアード競技大会が始まるはずだった弘保2(2020)年7月24日、新国立競技場に潜伏していた一人の男が何者かによって殺された。男は前年に『その男、共謀につき』という作品を発表して日本政府を非難する言動を表していたことから、テロ等準備罪に問われて追われていた。地震・水害・猛暑・風害・太陽風と続いた災害を理由とした「国家非常事態宣言」の下で、日本政府に抹殺されたのだろう。男が遺した『五輪書』という作品の草稿も消えた。こうして、弘保2(2020)年の暑い夏は終わった。
 
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鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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