十円ハゲの変

ジャンル:グルメ / テーマ:コーヒー / カテゴリ:珈琲の記:2017 [2017年03月17日 01時00分]
いまさらだが、ハゼよりもハゲが気になる。そういえば、二ハゼを延々とピチピチいわせる大坊勝次氏も、38年間続けた店を閉めるに思い悩んで脱毛を嘆いていた時があった。コーヒーのハゲ(禿)とは何だろう?
 十円ハゲの変 (1)
 
 ♪ コーヒー豆を深煎りした時 一部が丸く剥離した
 ♪ みんなの前で呼ばれたあだ名は ・・十円ハゲッ!
 ♪ どうして~? どうして~? どうしてハゲができたの~?
 
巷間では、「水抜きがうまくいかず表面だけ乾いたから」とか「1ハゼ以降の火力が強いから」とか「急速に焼くから」とか「時間をかけすぎるから」とか言われているし、「渋味やえぐみの原因」とか、「おいしく焼けた証拠」とか、百家争鳴、甲論乙駁、五里霧中だ。
 十円ハゲの変 (2)
 
 ♪ あのハゲ膨張するゆて 嘘ついて爆ぜてきたん!
 ♪ ハゲは嫌いが1万に対し ハゲの味方は30!
 ♪ どうして~? どうして~? どうしてそんなに剥がれたの~?
 
ハゲた豆だけを集めれば確かに‘えぐい’感じもするが、‘explosion’(破裂)してできたものなのだから、「エグスプロージョン」として時々みかける程度ならば、コーヒーの十円ハゲも好いのではないか? だが、変に思えるところもある。
 十円ハゲの変 (3)
 
 《二ハゼ中に煎り止めして豆を取り出すと、手網の外でもしばらくハゼ
  が続きます。これを注意深く観察すると、ハゼ音と同時に、胚芽の
  真上あたりから、小さな楕円形の豆のかけらが剥がれて飛んでい
  るのがわかるでしょう。よく見ると、すでにその部分が剥離した豆が
  たくさんあることがわかります。(略)なお剥離が起きる胚芽の真上
  は、豆組織が特に薄いので、ここから壊れやすいのだと考えられま
  す。》 (旦部幸博 『コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか
  pp.188-189/講談社:刊)
 
コーヒー豆の《胚芽の真上あたり》、いわゆるキャップの部分が《豆組織が特に薄いので、ここから壊れやすい》という旦部幸博氏の説。しかし、キャップ以外の外部内乳の表面部分が《剥がれて飛んでいる》豆も多い。このハゲはどうしたことだ? 変かもしれない。
 十円ハゲの変 (4)
 
 ♪ 多くな~い? 多くな~い? ハゲてる箇所が多くな~い?
 ♪ いや多くな~い! 多くな~い! 薄いとこしかハゲてな~い!
 ♪ 変じゃな~い? No! 変じゃな~い!
 ♪ 変じゃな~い? No! 変じゃな~い!
 ♪ 変! 変! 変! 変! 変! 変! 変! 変! 変
 ♪ これが 十円ハゲの変 十円ハゲの変 十円ハゲの変 十円ハゲの変
 ♪ 十円ハゲの変 十円ハゲの変 十円ハゲの変 十円ハゲの変
…諸説あり
 
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コメント

ハゲてます
ミズノ URL [2017年03月17日 08時43分]

ハゲ!ハゲ!と連呼され、ついつい反応してしまいました。私の頭部はDNAだと諦めているのですが、コーヒー豆の方は焙煎度や産地、品種によってもハゲ具合が違うように感じます。せめて、コーヒー豆のハゲだけでも減らしたいのですが、いかがなものでしょうか?

No title
- URL [2017年03月17日 11時00分] [編集]

2ハゼした豆の断面を見ると、胚乳組織の間に、隙間ができてるヤツがあるでしょう? その隙間のところがさらに拡大して破裂する、と考えてます。

なんで、そこに隙間ができるのかというと、胚乳組織の外側(外部内乳)と内側(内部内乳)に硬さの違いがある&内部内乳の間に薄い隙間(胚芽のところにつながる)があるせい。外側が壊れる前に内側の組織が崩壊すると、そこにさらにガスが集まりやすくなり、破裂してる可能性が高いです。

外部内乳と内部内乳については、2章に図解(図2-7)してます。細胞の大きさ(容積)や細胞壁の厚みには外部と内部に大きな差はありません。しかし、長方形の細胞が規則正しく並ぶ内部の方が、「構造的に」柔らかく、また脆くなると言われてます。

to:ミズノさん
帰山人 URL [2017年03月17日 11時41分]

禿頭を厭うべきものと私は思いませんが、豆のハゲはないに越したことはないですね。でも、その《ハゲ具合が違う》ことに随意が効かない、そこがもどかしいところで…。また、豆がハゲるとダメなのか否か、そこもなやましいところで…。

to:(名無しさん)
帰山人 URL [2017年03月17日 12時01分]

改めての教示、ありがとう存じます。訊きたいのは、
1.(教示に即した理由により)ハゲる箇所はキャップ近辺とは限らない、と追認してもらえるか?
2.実践の焙煎進行で随意にハゲの増減を作為することができるか?
3.(美観低下は別として)ハゲた豆の生成を焙煎の技術としてどう評価するか?
4.(美観低下は別として)ハゲた豆の混入を香味の影響としてどう評価するか?
です。

No title
y_tambe URL [2017年03月17日 12時39分] [編集]

あ、すみません。名無しになってた。

1. 追認します。ただしキャップ近辺が最頻。
2. おそらく可能。プロファイリングと伝熱割合で、表面/内部の加熱状態と、それに伴う組織膨化(≒脆化)が変化可能なため。
3. 単一要素として評価するのは正当ではない。【ハゲは増えるがその分、別のメリットが大きくなる焙煎】がある可能性が大きい。要は「うちのは深煎りでもハゲないから良い焙煎です」とか言うたらツッコむだろ、という問題。
4. 3と同様。ただし一種の焙煎ムラになることは、おそらく事実なので、3よりは微妙。

to2:y_tambeさん
帰山人 URL [2017年03月17日 13時29分]

旦部さん、回答ありがとう。
(ここから先は、回答者向けじゃなくて、読者向け私見)
4に関して《微妙》なのは《一種の焙煎ムラ》になること。剥離と煎り止めがほぼ一致した時は、香味への影響は少ない。とっくに剥離したハゲ豆を焙煎し続けると露骨な《焙煎ムラ》になるので、香味への影響は大きい(記事に掲げた写真の状態はコレだな)。でも、かなり深煎りへ進めると(実際にはムラがあるんだけど)見面でも抽出後の官能でも判別し難い。つまり、ハゲでもいろんなハゲがあり、十禿十色、十禿一絡げにするワケにいかない、というコト。

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Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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