あの時代を忘れない

ジャンル:ライフ / テーマ:ひとりごと / カテゴリ:あ・論廻 [2015年10月31日 01時30分]
私は静岡大学人文学部人文学科を、アメリカスペシャルティコーヒー協会(SCAA)が設立され(2月)、エルチチョン山が爆ぜた(3月)、その1982年の春に入学して、ブラジルでの前年の干魃による相場急騰により国際コーヒー協定(ICA)のクォータ(輸出割当枠)が停止され(3月)、チェルノブイリ原子力発電所が爆ぜた(4月)、その1986年の春に卒業した。以来、ごく一部の者を除いて、専攻した日本史学研究室の同期生にすら会っていなかった。
 
私淑する人たちが《会えば会ったでいったいどんな話をすればいいのか、いささか気が重くなる》とか《生きている人に対して、懐かしいという感情は、わたしは欠落しているようです》とか言って憚らないのと同様に、私も同窓を懐かしむどころか疎んずる料簡である。大規模な同窓会なんぞに参加して、会ったこともないクソジジイやクソババアどもの愚にも付かない説教や人生訓を聞かされるなんて、まっぴらゴメンだ。
 
静大生の同窓会名簿では行方不明にされたまま放置している私であるが、日本史学研究室の同期生にWeb上で探し当てられて、卒業後で初の同期会の案内を受けた。日程は参加する走大会の前日、会場は静岡市内で走大会にも近い。約30年ぶりの学友たちとの再会も面白いかもなぁ…行ってみるか。
 
2015年10月24日、車で同期会の会場へ向かう途に、藤枝市の「コーヒーの苑」に寄って、近況報告しながらハイブレンドを喫する。大学生の頃は、通い詰めたなぁ…あの時代を忘れない。
 
日本史学研究室(&考古学研究室)の同期会の会場である料理屋「茄子の花 無庵」へ。集まった同期生は、約半数の男6人女6人の計12名。日頃は顔も思い浮かばない者もいるが、顔を合わせた途端に誰が誰だかすぐに判る。見た目はそれなりに老けたが、誰なのか判らなくなるほどの者はいない。特に女性陣は、皆が美しく老けていた(世辞じゃないぞ)。口を開けば、仕切りっぷり、燥ぎっぷり、呆けっぷり、恥じらいっぷり、自慢っぷり、嫌味っぷり…皆が皆、30年前と全く変わっていない。卒業後の人生を互いに語り合うと、「波瀾万丈だなぁ」という声も何度か上がった。なぁに、その辺を歩いている同年代の人を適当に12人集めたとしても、生き様の変転は大して変わんないサ。ただ、知己を得た者同士だからこそ下衆の勘繰りで問答できる面白さがあるんだナ。まぁ、そういう私の捉え方も、30年前と全く変わっていないワケだが(笑)。3時間ほどでお開きとなったが、大半の者が近くのカラオケ店に流れて、さらに2時間ほど歌ゼロの喋りっ放し。思っていた以上に、楽しい時を過ごした。その楽しさが《懐かしいという感情》によるものであるのか、私には解らない。未来を懐かしむことはできない。何故か? 過去を振り返って思い起こすことと、未来を見通して思い設けることとは、対偶として捉えられるが、《懐かしいという感情》に対をなす反意は存在しない。懐古は不可逆なのである、だから…あの時代を忘れない。
 
同期生に別れを告げて、車で宿へ向かう途に、牧之原市の「コスモスコーヒー」に寄って、エチオピア(シダモ・W・ダーク)とチョコレートケーキ(ノアール)を喫する。閉店時刻を過ぎたが、マグカップでコーヒーが出てきて、蒔田さんと談話が続く。私が大学生の頃の「珈琲屋バッハ」の様相とか…あの時代を忘れない。
 
私が在籍していた頃の静大生の下宿や寮の部屋からラジカセのテープの音が漏れ聴こえてくれば、その多くがユーミンか中島みゆきかサザンだったなぁ…同期会に参加したからであろう、そんなことを思い出した。「じゃ、明日のマラソンは脳内で懐メロの音聴ランだな」、宿に入って部屋で独り笑った。この先はわからないが、今はまだ…あの時代を忘れない。
 
  あの時代を忘れない (1)
♪ 同じ時を旅している たくさんの人の中に なぜかとても ああなつかしい あなたがいてよかった (「青い船で」/1984年2月1日発売)
 
  あの時代を忘れない (2)
♪ 忘れな草もう一度 ふるえてよ あの人の思い出を 抱きしめて 忘れな草もう一度 ふるえてよ あの人の 夢にとどけ (「忘れな草をもう一度」/1982年9月21日発売)
 
  あの時代を忘れない (3)
♪ I remember younger days, my friends and family and there were tears…And yes, I fell in love. If I could only go back once more… (「Ya Ya(あの時代を忘れない)」/1982年10月5日発売)
 
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kisanjin

Author:kisanjin
鳥目散 帰山人
(とりめちる きさんじん)

無類の珈琲狂にて
名もカフェインより号す。
沈黙を破り
漫々と世を語らん。
ご笑読あれ。

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